【JH316】生類憐みの令
■原典
・御当家令条
■史料
生類憐愍(1)の儀、前前より仰せ出され候処、下下にて左様之無く、頃日疵付き候犬共度度之有り、不届きの至りに候。向後、疵付き候手負犬、手筋極り候ひ(2)て、脇より(3)露顕致し候ハバ、一町の越度(4)たるべし。幷びに辻番人の内、隠し置き、あらはるるにおゐてハ、相組中越度たるベき事。
■注釈
(1)「生き物をあわれむ」の意。 (2)「誰が犯人が分かって」の意。 (3)「本人以外から」の意。 (4)落ち度、責任のこと。
■現代語訳
生き物をあわれむようにと、以前から命令されているが、下々の中では守られておらず、この頃傷ついた犬を度々見かける。あってはならないことである。今後は犬を傷つけた犯人が、本人以外から明らかになった場合に、町中の落ち度とする。