【JH124】摂関政治
■原典
・日本三代実録
・政事要略
■史料
① 日本三代実録
天安二年戊寅
摂政 従一位 藤良房五十五 十一月七日(1)宣旨にて摂政と為す。(公卿補任)
(清和天皇貞観八年八月)
十九日辛卯、太政大臣に勅して、天下の政を摂行(2)せしむ。…
② 政事要略
摂政太政大臣(3)に万機(4)を関白せしむるの詔を賜ふ
詔すらく、「朕(5)、涼徳を以て茲に乾符を奉ず。…嗚呼三代(6)政を摂り、一心に忠を輸す。…其れ万機巨細、百官己に総べ、皆太政大臣に関白(7)し、然る後に奏下すること一に旧事の如くせよ。主者、施行せよ」と。
仁和三年十一月廿一日
■注釈
(1)この日に清和天皇が即位した。 (2)「摂り行う」の意。
(3)藤原基経のこと。 (4)「全ての政務」の意。 (5)宇多天皇のこと。
(6)清和・陽成・光孝天皇の三代をさす。
(7)「関(あづか)り白(もう)す」の意。関白の語の初見。
■現代語訳(口語訳)
①省略
② 基経関白となる
摂政太政大臣に政務全般を関白させる詔を賜うこと
詔にいうには、「私は徳の薄い身でありながら、帝位についた。…(中略)…ああ、太政大臣は三代にわたって国政を担当し、一心に忠節を尽くしてきた。…(中略)…大小の政務一切について、太政大臣が官人全てを統括し、全て皆太政大臣を経て奏上し、下命することは従来の通りにせよ。担当者はこの詔を施行せよ」と。
仁和3(887)年11月21日