【JH329】足高の制
■原典
・御触書寛保集成
■史料
享保八年卯六月
諸役人、役柄に応ぜざる小身(1)の面面、前前より御役料(2)定め置かれ下され候処、知行の高下これある故、今まで定め置かれ候御役料にては、小身の者御奉公続き兼ね申すべく候。
これにより今度御吟味これあり(3)、役柄により、その場所不相応に小身にて御役勤め候者は、御役勤め候内御足高(4)仰せ付けられ、御役料増減これあり、別紙の通り相極め候。
但此度御定の外取り来り候御役料は其の儘下し置かれ候。
■注釈
(1)「家禄の少ない」の意。 (2)役職に応じて支給された手当のこと。役料は1665年(4代将軍家綱)からとされている。 (3)各職の石高を定め、任命されたものが石高に達しない場合には、その不足分を在職限って補足した石高のこと。 (4)「調査があって」の意。
■現代語訳
享保八(1723)年六月
諸役人のうち、役職不相応に禄高の高い人々に対しては、前前から役料を定めて下されていたが、知行の高い者と低い者があるので、従来定めておいた役料では小身の者は御奉公を続けることができなくなってきた。
そこでこの度調査をして、役職により、不相応に禄高の低い者が、その役につく場合、在職中に役高から不足する分を補足することとしたので、役料は家禄により増減があることになり別紙の通り決定された。
以上の旨を申し渡しすように仰せ出された。ただし、この度決定されたもの以外の役料は、そのまま下しおかれる。