2021.12.04

【JH221】正長の徳政一揆

■原典

・大乗院日記目録




■史料

(正長元年九月)

…一天下(1)の土民(2)蜂起す。徳政と号し、酒屋、土倉(3)、寺院(4)等を破却せしめ、雑物等恣に之を取り、借銭等悉く之を破る。管領(5)之を成敗す。凡そ亡国の基、之に過ぐべからず。日本開白(6)以来、土民蜂起、是れ初めなり。




■注釈

(1)近畿地方のこと。  (2)農民や都市の庶民らのこと。  (3)金融業者  (4)祠堂銭で高利貸しをしていた。  (5)管領畠山満家のこと。  (6)はじまり、開け始めの意。




■現代語訳(口語訳)

正長元(1428)年9月、天下(近畿地方)の土民が蜂起した。徳政と号して(称して)酒屋・土倉・寺院を打ちこわし、質に入っていた雑物等を奪い取り、借用証文を破いて借金を破棄してしまった。管領畠山満家がこの一揆を鎮めた。亡国の下人としてこれ以上のものはない。日本が始まって以来、これが土一揆のはじめである。




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