【JH340】上知令(天保の改革)
■原典
・続徳川実紀
・癸卯日簿
■史料
…このたび江戸大坂最寄(1)、御取り締りとして上知(2)仰せ付けられ候。右領分その余、飛地の領分ニも、高免の場所(3)もこれあり、御沙汰次第差し上げ、代知の儀如何様ニも苦しからず候えども、三つ五分(4)よりよろしき場所ニてハせっかく上知相願ひ候詮もこれなく候あいだ、御定の通り三つ五分に過ぎざる土地下され候えば、ありがたく安心仕るべく候。…
■注釈
(1)江戸と大阪の10里四方を指す。 (2)幕府が領地を収公(大名領・旗本知行地)すること。 (3)年貢率の高い場所のこと。 (4)「3割5分の租率」の意。
■現代語訳
…この度 (1843年)江戸・大阪の周辺取り締まりのため、領地を幕領に編入するよう命じられた。以上の領分には年貢率の高い領地もあるが、命令次第すぐに取り上げること。代わりの土地はどこを希望しても良いが、年貢率が三割五分より高いところではせっかく領地の収公を願い出ても意味がない。そのため、お定めの通りに年貢率が三割五分以下の幕領と交換するため安心すること。…