2021.12.09

【JH429】東洋大日本国国憲按(植木枝盛の私擬憲法)

■原典

・秘書類纂 / 明治前期の憲法構想(家長三郎他編)増訂版第二版




■史料

 

第七十条

 政府国憲(1)ニ違背(2)スルトキハ日本人民ハ之ニ従はサルコトヲ得

 

第七十二条

 政府恣ニ(3)国憲ニ背キ、擅ニ(4)人民ノ自由権利ヲ侵害シ、建国ノ旨趣(5)ヲ妨グルトキハ日本国民ハ之ヲ覆滅(6)シテ新政府ヲ建設スルコトヲ得。

 

第百十四条

 日本聯邦(7)二関スル立法ノ権ハ日本聯邦人民全体ニ属ス

 




■注釈

(1)憲法のこと。  (2)「違反」の意。  (3)「勝手に」の意。  (4)「勝手に」の意。  (5)「本来の目的」の意。人権の保障を指す。  (6)「倒す」の意。革命権を規定している。  (7)植木枝盛の案には地方自治権が大きく、七十からなる連邦国家が構想されていた。

 




■現代語訳

 

第七十条

 政府が憲法に違反したときは、日本人民は政府に従わないことができる。

 

第七十二条

 政府が勝手に憲法に違反し、勝手に人民の基本的人権を侵害し、日本建国の精神をふみにじったときは、日本国民は政府を倒し新政府をつくることができる。

 

第百十四条

 日本連邦についての立法権は、日本連邦人民が持つ。




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