【JH422】国会開設の勅諭
■原典
・法令全書
■史料
朕(1)祖宗二千五百有余年ノ鴻緒(2)ヲ嗣ギ、中古紐ヲ解ク(3)ノ乾綱(4)ヲ振張シ、大政ノ統一ヲ総攬シ、又夙ニ立憲ノ政体ヲ建テ、後世子孫継グベキノ業ヲ為サンコトヲ期ス。
嚮ニ明治八年ニ、元老院ヲ設ケ、十一年ニ、府県会ヲ開カシム。此レ皆漸次基ヲ創メ、序ニ循テ(5)歩ヲ進ムルノ道ニ由ルニ非ザルハ莫シ。爾有衆、亦朕ガ心ヲ諒トセン(6)。
将ニ明治二十三年(7)ヲ期シ、議員ヲ召シ、国会ヲ開キ、以テ朕ガ初志ヲ成サントス。
■注釈
(1)天皇の一人称で、この史料では明治天皇のこと。 (2)「偉大なる皇統」の意。 (3)「平安中期以降にゆるんだ政治の乱れ」の意。 (4)「天子の大権」の意。 (5)「順序に従って」の意。 (6)「天皇の心がわかる」の意。 (7)1890年のこと。
■現代語訳
私(明治天皇)は祖先以来2500余年の皇統を受け継ぎ、平安中期以降からゆるんだ天皇の大権を奮いおこし、政治の統一権力を一手に握り、また早く立憲政体をたて、後世に子孫が継承する事業を達成しようと考えた。
さきに明治8年に元老院を設け、11年には府県会を開かせた。これは全て次第に基礎をつくり、順序に従って前進する方法によるためである。お前たち国民もまた自分の心がわかるだろう。
今ここに明治23年を期して、議員を召して国会を開き、それによってよって私の初志を達成したいと思う。