【JH416】地租改正条例
■原典
・法令全書
■史料
今般地租改正ニ付、旧来田畑貢納ノ法(1)ハ悉皆相廃シ、更ニ地券(2)調査相済次第、土地ノ代価ニ随ヒ、百分ノ三ヲ以テ地租ト相定ムベキ旨、仰セ出サレ候条、改正ノ旨趣、別紙条例ノ通リ、相心得ベシ。…
(別紙) 地租改正条例
第二章
地租改正施行相成リ候上ハ、土地ノ原価ニ随ヒ、賦税致シ候ニ付キ、以後仮令豊熟ノ年ト雖モ、増税申シ付ケザルハ勿論、違作ノ年柄コレアリ候トモ、減租ノ儀、一切相成ラズ候事。
第六章
…地租ハ則チ地価ノ百分ノ一ニモ相定ムベキノ処、未ダ物品等ノ諸税目興ラザルニヨリ、先ヅ以テ地価百分ノ三ヲ税額ニ相定メ候エドモ、向後、茶、煙草、材木其ノ他ノ物品税追追発行相成リ、歳入相増シ、其ノ収入ノ額二百万円以上ニ至リ候節ハ、地租改正相成リ候土地ニ限リ、其ノ地租ニ右新税ノ増額ヲ割リ合ワセ、地租ハ終ニ百分ノ一ニ相成リ候迄漸次減少致スベキ事。
■注釈
(1)旧来からの田畑の貢納(米納、定免法、現物納、四公六民)に関する法のこと。 (2)土地所有者の権利書のこと。土地所有者名、地目、地価などが記載されている。
■現代語訳
地租改正について、従来の田畑の課税方法は全廃とし、知見の調査が済み次第、地価の100分の3を地租として定めると命令があった。改正の趣旨は、別紙の条例の通りである。
(別紙)地租改正条例
第二章
地租改正が実施されたら、地価により課税するので、以後は豊作の都市であっても増税を申し付けない。また、不作の年であっても減税することはない。
第六章
…地租は地価の100分の1にも定めるべきであるが、まだ物品などに課する税が決まっていないため、まずは地価の100分の3を税率と定めたが、今後、茶・たばこ・材木そのほかの物品税が次第に多くなり、歳入が増加してその収入額が200万円以上になった場合には…地租は最終的には100分の1になるまで減額するようにする。