2024.08.16

【JH402】アメリカ大統領フィルモアの国書

■原典

・ペルリ提督日本遠征記




■史料

 

…余が提督を遣わしたる目的は、合衆国と日本とが友好を結び、相互に商業的交通を結ばんことを陛下に提案せんがために他ならずと、陛下に確信せしめんとす。…

 

 吾が船舶にして毎年カリフォルニアより支那に赴くもの多く、又吾が人民にして、日本沿岸において捕鯨に従事するもの甚だ多し。荒天の際には、吾が船舶中の一艘が貴国沿岸に置いて難破する事も屢々(しばしば)なり。かかる場合には悉く、吾等が他の船舶を送りてその財産及人民を運び去るまでは、吾が不幸なる人民を親切に遇し、その財産を保護せられんことを願い又期待するものなり。…

 

 即ち、余等は日本帝国内には、石炭及び食料が豊富なることを聞知し居ることこれなり。…願わくは吾が汽船及びその他の船舶が日本に停泊して、石炭、食糧及び水の供給を受くることを許されよ。




■注釈

(1)日本の皇帝に宛てた国書出会ったが、幕府が受領した。  (2)アメリカは太平洋を横断して清国と貿易を行なっていた。  (3)鯨油は機械油や灯りの燃料として活用されていたため需要が高まっていた。




■現代語訳

私がペリーを派遣した理由は、アメリカと日本が友好関係を結び、通称関係を結ぶことを日本に提案するためです。

 

 毎年多くのアメリカ船がカリフォルニアから中国へ行き、多くのアメリカ国民が日本沿岸で捕鯨に携わっています。悪天候の際には、多くのアメリカ船が日本沿岸で難破しています。そのような場合、救助の船を派遣して、積荷や乗組員を保護するまでは不運な乗組員と積荷を大切に保護していただきたい。

 

 日本ん国内には石炭や食糧が豊富であると聞いています。我が国の船舶が日本に寄港して石炭、食糧、水を補給することを許していただきたい。




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