【JH118】三世一身法
■原典
・続日本紀
■史料
(養老七年四月)辛亥、太政官奏すらく、「頃者、百姓漸く多くして、田池窄狭なり。望み請ふらくは、天下に勧め課て、田疇(1)を開闢(2)せしめん。其の新に溝池を造り、開墾を営む者有らば、多少を限らず、給して三世(3)に伝へしめん。若し旧の溝池を逐はば、其の一身に給せん」と。奏可す。
■注釈
(1)田地のこと。 (2)「開墾」の意。
(3)「開墾した本人と子ども、本人の孫」とする説のほか、「子どもと孫、曾孫」とする説もある。
■現代語訳(口語訳)
723年、太政官が天皇に奏上した。「近頃人口が増加し、班給する口分田が不足してきました。そこで、国中に奨励し、田地を開墾させようと考えております。新しく溝や池を作って開墾した者には、面積の大小に関わらず、3世代に渡って土地の私有を認めたいと思います。すでにある溝や池を利用して開墾した者には、本人に限り一代に限り私有を許可しようと思います」。これは許可された。