【JH105】江田船山古墳出土鉄刀銘
■原典
・江田船山古墳出土鉄刀銘
■史料
天下治めす獲□□□鹵大王(1)の世、奉□典曹人、名は无□弖、八月中、大いなる鋳釜と、幷て四尺の廷刀(2)とを用ゐ、八十たび練り、六十たび捃じたる三寸上好の□刀なり。此の刀を服する者は長寿、子孫注々三恩を得る也。其の統ぶる所(3)を失はざらむ。刀を作れる者の名は伊太□、書せる者は張安也。
■注釈
(1)雄略天皇とされる。 (2)延べ金で作った刀。 (3)支配する。
■現代語訳(口語訳)
天下を治める雄略天皇の時代、・・・(中略)・・・8月中、大きな鋳釜と廷刀を用いて八十回錬り、六十回精錬を重ねた三才に通じる名刀である。この刀を持つものは長生きができ、子孫も洋々として恩恵を受けることができる。そして治める国も失うことはない。この方の刀の作成者はイタワ(伊太(和))、記録したものは張安である。