【JH429】東洋大日本国国憲按(植木枝盛の私擬憲法)
■原典
・秘書類纂 / 明治前期の憲法構想(家長三郎他編)増訂版第二版
■史料
第七十条
政府国憲(1)ニ違背(2)スルトキハ日本人民ハ之ニ従はサルコトヲ得
第七十二条
政府恣ニ(3)国憲ニ背キ、擅ニ(4)人民ノ自由権利ヲ侵害シ、建国ノ旨趣(5)ヲ妨グルトキハ日本国民ハ之ヲ覆滅(6)シテ新政府ヲ建設スルコトヲ得。
第百十四条
日本聯邦(7)二関スル立法ノ権ハ日本聯邦人民全体ニ属ス
■注釈
(1)憲法のこと。 (2)「違反」の意。 (3)「勝手に」の意。 (4)「勝手に」の意。 (5)「本来の目的」の意。人権の保障を指す。 (6)「倒す」の意。革命権を規定している。 (7)植木枝盛の案には地方自治権が大きく、七十からなる連邦国家が構想されていた。
■現代語訳
第七十条
政府が憲法に違反したときは、日本人民は政府に従わないことができる。
第七十二条
政府が勝手に憲法に違反し、勝手に人民の基本的人権を侵害し、日本建国の精神をふみにじったときは、日本国民は政府を倒し新政府をつくることができる。
第百十四条
日本連邦についての立法権は、日本連邦人民が持つ。