【JH409】五箇条の誓文
■原典
・法令全書
■史料
一、広ク会議ヲ興シ万機(1)公論ニ決スヘシ
一、上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸(2)ヲ行フヘシ
一、官武一途庶民ニ至ル迄各其ノ志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
一、旧来ノ陋習(3)ヲ破リ天地ノ公道(4)ニ基クヘシ
一、智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基(5)ヲ振起スヘシ
我国未曽有ノ変革ヲ為ントシ、朕躬ヲ以テ衆ニ先ンシ、天地神明ニ誓ヒ、大ニ斯国是ヲ定メ万民保全ノ道ヲ立ントス。衆亦此旨趣ニ基キ、協心努力セヨ。
■注釈
(1)「天下の政治」の意。 (2)「国家統治の政策」の意。 (3)「悪しき慣習、よくない風習」を意味し、ここでは幕末の攘夷運動を指す。 (4)「国際法」のこと。 (5)「新政府の基礎」の意。
■現代語訳
一、広く会議を開き、政治は広議世論を尊重して決定する。
一、上の者も下の者も心を一つにして、国家統治の政策を実施する。
一、公家・武家・庶民まで、それぞれの意志が遂げられるようにし、人々の心を飽きさせないようにする。
一、攘夷を捨てて、国際法に従う。
一、欧米の知識を取り入れ、近代国家(政府)の基礎をつくる。
日本は大きな変革を行うため、天皇自らが皆に先んじて天地の神々に誓い、国の基本方針を定め、人々の生活を安定させようとしている。皆もこの趣旨に基づいて、一致協力するように。