2021.12.09

【JH405】日米修好通商条約

■原典

・幕末外国関係文書




■史料

 

第一条 向後、日本大君と、亜墨利加合衆国と、世世親睦なるべし。…

 

第三条 下田・箱館港の外、次にいふ所の場所を、左の期限より開くべし。

 神奈川(1)…西洋紀元千八百五十九年七月四日  長崎 同断

 新潟…千八百六十年一月一日  兵庫(2)…千八百六十三年一月一日

 …神奈川港を開く後六ヶ月にして、下田港は鎖すべし。

 此ヶ条の内に載たる各地は、亜墨利加人に居留を許すべし。…

 江戸…千八百六十二年一月一日 大坂…千八百六十三年一月一日

 右(3)二ヶ所は、亜墨利加人、唯商売を為す間にのみ、居留する事を得べし。…

 双方の国人、品物を売買する事、総て障りなく、其の払い方等に付いては、日本役人これに立合ハず(4)、…

 

第四条 総て国地に輸入輸出の品品、別冊(5)の通り、日本役所へ、運上(6)を納むべし。…

 

第五条 外国の諸貨幣は、日本貨幣同種類の同量を以て、通用すべし。金ハ金、銀ハ銀と、量目を以て比較するをいふ…

 

第六条 日本人に対し、法を犯せる亜墨利加人は、亜墨利加コンシユル裁断所(7)にて吟味の上、亜墨利加の法度を以て罰すべし。亜墨利加人へ対し、法を犯したる日本人は、日本役人糺の上、日本の法度を以て罰すべし。…




■注釈

(1)「横浜」を指す。  (2)「神戸」を指す。  (3)「江戸」と「大阪」を指す。  (4)「自由貿易にする」ということ。  (5)「貿易章程第七則で定めた通り」の意。この規定により、関税は日米が協定で決めるものとなって日本は関税自主権を失った。  (6)関税のこと。  (7)領事裁判権のこと。




■現代語訳

第一条

 

第三条 下田と箱館の他、次の場所を左の期限から開港する。

    神奈川(1859年7月4日)   長崎 前と同じ

    新潟(1860年1月1日)     兵庫(1863年1月1日)

  …神奈川港を開いた後、6ヶ月後に下田港は閉鎖する。ここに掲載した各港はアメリカ人の居留を認める。

    江戸(1862年1月1日) 大坂(1863年1月1日)

    アメリカ人はこの二か所に商業取引のためにのみ滞在できる。…

    双方の国の者の売買は自由とする。その支払い方法についても日本の役人は立ち合わない。

 

第四条 日本への輸出入物に対しては、貿易章程の通り日本の税関に関税を支払うこと。…

 

第五条 外国貨幣は、日本貨幣と同種類かつ同じ量で通用する。金は金、銀は銀と受領で比較すること。

 

第六条 日本人対して罪を犯したアメリカ人は、アメリカ領事裁判所において、アメリカの方で裁くこと。アメリカ人に対して罪を犯した日本人は、日本の役人が調べて日本の方で裁くこととする。 




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